保津川ラフティング事故 関連情報

アウトドアスポーツとして人気のラフティング。

スリルがあって楽しいものではありますが、自然を相手にしたスポーツですので、100%の安全は保証されていません。

保津川ではラフティング以外にも保津川遊船と呼ばれる観光船が運航していたり、個人でカヌー、カヤック、パックラフト等の川下りを楽しむ方が多くいます。

過去には川の事故が何件か事故が発生しています。事故の内容を把握した上で安全に楽しめるよう知識を得て危険を回避するようにしてください。

過去の保津川事故状況


1998年 船が岩に乗り上げた。

2001年 船が岩に衝突し、5人が川に投げ出された。

2011年 パックラフト中に転覆。ラフティング業者に発見・救助されたが死亡。

2015年 遊覧船の船長が川に転落し死亡。船舶事故調査報告書 要 旨 – 運輸安全委員会

2023年 遊覧船が岩に衝突し、転覆。2名死亡。19名打撲や低体温症などの軽傷。

船頭落下で事故に至ったと結論(NHKニュース)

2024年 パックラフト中に怪我を負い操船不可になり中洲に取り残された。
    通りかかったラフティング業者に発見され消防に救助された。

・危険ポイント

保津川では、ラフティングのゴールポイントになる保津峡駅下は過去にBBQを行っている人が川に入り泳いで溺れてしまう、多くの事故が発生している危険なポイントになっています。

入り口には遊泳禁止の看板もあり、警察からも抑制のかかっているポイントになっています。

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この場所がなぜ危険かというと、保津川の本流とそこに流れ込む支流が交わっているポイントで、ここにはエディラインと呼ばれる流れが変わる境目が存在します。その流れにより人が沈められて、流され溺れてしまうことがあります。

よく河童に足を引き込まれたということが言われますが、その現象がエディラインによる流れとなります。

ライフジャケットをつけていても、このエディラインでは強い力で引き込まれ川底近くまで持っていかれるので、もしライフジャケットをつけていない場合は、深く沈みこまれるだけでなく、時間も長く水中下にいることになります。

このエディラインが作り出す複雑な流れの境目に入ってしまうと体が沈んでしまい、パニックになり水を飲んだり、不必要にもがくことにより体力を奪われてしまうため、溺れてしまう可能性が高くなります。

・エディライン

流れとエディと呼ばれる反転流の境目にできる渦等の流れ。線状に流れが見えることからエディラインと呼ばれる。増水などにより流れが非常に強くなる場合には、エディフェンスまたはエディウォールと呼ばれる。台風などにより川の流れが強くなるとエディラインで沈められるだけでなく、エディの中から出られなくなってしまう事もあります。

エディとエディラインの図示

こういった場所で泳ぐことは大変危険です。

遊泳禁止とされているのには理由がありますので、そういった場所では泳いで遊ばないようにしましょう。

また、川遊びはとても楽しいものですが、どこに危険が潜んでいるかわかりません。

遊ぶ際には、ライフジャケットの着用を強く推奨します。

・事故防止対策

過去の事故での教訓を活かし、警察や消防、事業者などの合同訓練が実施されています。

亀岡 「保津川下り」事故1年を前に 消防や事業者などが訓練

また、万一事故が発生してもすぐに詳細の場所を把握できるよう、保津川の各所に番号か書かれている看板が設置され、早急な救助活動を行えるよう対策されています。


ラフティングを行うにあたり不安な方に

以下、ラフティングに関する注意事項があります。
ご確認ください。

ラフティング不安解消のために


探検部等でラフティングをする方へ

保津川の危険要素や注意する必要な場所を以下掲載します。

川を下る際にぜひ活用してください。専門用語などがありますが、もしこの専門用語や概念がわからないときは、経験者に確認するか、当社の関係会社が行う急流救助の講習会などを利用し安全知識を身に付けてください。

レスキュージャパン スイフトウォーターレスキュー講習

保津川の危険個所

・丸太

保津川下りが川作(船底を傷める前に行う作業)をしており、川底に丸太が沈められている箇所があります。

金岐の瀬、大高瀬、獅子が口の瀬、朝日の瀬。4カ所です。

丸太がストレーナーになる危険があるので、十分注意お願いいたします。

・アンダーカットロック

流れが長年にかけて岩を削り、オーバーハング(逆三角形)になった岩や岩壁。

流れがそこへ入り込んでいる場合があり、接触や近くを泳ぐなどすると引き込まれてしまいます。岩の下に入り込んでしまうと息も出来ず、抜け出すことも出来なくなり浮上できません。水量によっては水面下に隠れて、見つけることが難しい場合もあります。

死亡事故につながる大変危険な障害物です。

大高瀬終わりの左岸にこのアンダーカットロックがあるので注意。

・石垣

小鮎の瀬、大高瀬の左岸に石垣がありますが、それを固定している金属が飛び出ている箇所があるので、ゴムボートなどはぶつかるとバーストの可能性があるので注意してください。

・遊覧船

保津川下りという木の大きい船が亀岡駅付近から渡月橋付近まで下っています。

大きく、重さもありすぐに停止はできないので、遊覧船が優先して川下りをしています。

瀬のエントリー前に必ず後ろを確認して、遊覧船が近づいていないのかを確認してからエントリーしましょう。

・保津川を下る際の安全なルート

遊覧船との接触を避けるために、安全なルートが決められています。

宮ノ下の瀬

水量120cm以下は右岸のルート進入禁止。

合流地点に行くまでに遊覧船からボートが見えないため。

大高瀬

左岸のアンダーカットロックの裏のエディには入らない。

エディアウト時に遊覧船が見えず、衝突の可能性があるため。

獅子が口

エントリー前に遊覧船の赤旗トランシーバーがある時があります。
赤旗があれば、停止し、旗の場所にトランシーバーがあるので遊船の川作の担当者に今から下る旨を伝えてから下る。ほとんどの場合、川作の担当者が岩の上にいるので、確認する。

右岸ルートは合流時に遊覧船から見えず、衝突の可能性があるので通らない。

二股の瀬

左岸ルートは合流時に衝突の可能性があるので通らない。

朝日の瀬

右岸ルートは合流時に衝突の可能性があるので通らない。

保津川を下る時に何か心配なことがあるときは、お気軽に当社までお問い合わせください。